本日4月22日は、環境問題を考える「アースデイ(地球の日)」です。
そこで今回は当園内で行っているブナの保全活動をご紹介したいと思います。
ブナ、と聞くと世界自然遺産に指定される白神山地を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。白い樹皮とそれを覆う地衣類のコントラストが美しく「森の女王」とも呼ばれ、冷涼で湿潤な気候を好みます。関東地方では基本的に標高1,000m以上の山地に分布しているのですが、高尾山では例外的に高尾山駅のある海抜472mからその姿を見ることができます。
現在高尾山で見ることのできる木々は江戸時代半ば(1700年~1800年ごろ)に起きた小氷河期に南下してきたものの生き残りではないかと言われており、1966年に執筆された「高尾山天然林の生態ならびにフロラの研究」という文献で「ブナの稚樹が生ずることは極めて少ない」とあり、「今あるブナが寿命で枯れた後を推測することは難しいが、イヌブナやモミなどに継承されるのではないか」とまで書かれているほど貴重な存在です。
それなりの大きさになれば日差しにも耐えられるようですが、小さいうちは簡単に枯れてしまうので昨今の地球温暖化や人間の活動による土壌の乾燥化等々によって猶更後継が育たないようです。
そんなブナの稚樹を昨春、園内整備中に発見して保護・育成していたのですが夏も冬も越えて無事に展葉したのでせっかくだからアースデイに便乗して発表してしまおう!というのがこの記事になります。
昨春に保護した時の姿
葉の数も増え、一回り大きくなったのがわかるでしょうか?まだまだ小さな稚樹ですが、豊かな自然を未来に残せるよう大切に育てていこうと思います。
by タツヤ